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「2025年9月1日施設見学会(あけぼの学園)」報告

  • setagayarenkyo15
  • 2025年10月28日
  • 読了時間: 5分
モザイク壁画
モザイク壁画



「2025年9月1日施設見学会(あけぼの学園)」報告

 

1,連協の施設見学会とは

私たち世田谷区障害者福祉団体連絡協議会(以下、「連協」と略す)は、毎年9月に「施設見学会」を実施しています。「施設見学会」の目的は、「連協」が目指す「障害者が安心して暮らせる地域社会の実現」と「障害者の自立と生活の質の向上」について、障害者施設等を通して学習して行こうというものです。

「施設見学会」の見学先は、基本的には世田谷区を中心とした東京都内の福祉関係の施設などですが、東日本大震災後の2016年~2023年(コロナ禍の2020年と2021年は除く)は、被災地支援のため、宮城県や福島県を訪問先としました。

 

2,あけぼの学園の紹介


(1)沿革

2025年度の見学先とした「あけぼの学園」は、1964年(昭和39年)結成された親の会「全国重症心身障害児(者)を守る会」の拠点として、世田谷区三宿2丁目に建設された「重症心身障害児療育相談センター」の『三本柱』である「相談」「診療」「療育」の場として、1970年(昭和45年)に自主的(独自)に始められました。

「あけぼの学園」の母体である「全国重症心身障害児(者)を守る会(以下、守る会と略す)」が設立された当時の国の福祉は、「社会の役に立たないものに、国のお金は使えません」というもので、重い障害のある子どもたちは児童福祉法の適用外とされていました。そのような状況の中、「どんなに障害が重くても真剣に生きているこのいのちを守ってほしい」「社会の一番弱いものを切り捨てることは、その次に弱いものが切り捨てられ、社会の幸せにつながらないのではないか」と訴え、活動されてきました。「守る会の三原則」に「一、決して争ってはいけない。争いの中に弱いものの生きる場はない。」「一、親個人がいかなる主義主張があっても重症児運動に参加する者は党派を超えること。」「一、最も弱いものをひとりももれなく守る。」とあります。その理念を形にしたものが「あけぼの学園」です。

 

(2)施設の概要

①施設種別 

重症心身障害児(者)を対象とした通園事業(児童発達支援事業、生活介護事業)


②建物面積 

1,373㎡ 地上3階 地下1階


③定員   

25名 ※日中一時支援 4名


④施設名  

あけぼの学園 (重症心身障害児療育相談センター2階)


⑤利用対象者 

(1)就学前の乳幼児(母子通園)

(2)18歳以上

(3)重度の肢体不自由と重度の知的発達障害とが重複した状態の方


⑥利用日時  

(1)通園

月曜日から金曜日 

午前10時から午後3時

(2)日中一時支援

月曜日から金曜日 

午前9時から午後5時

 

3,見学の感想

見学日の9月1日は、異常気象が続く猛暑日でしたが、多くの方が参加されました。「あけぼの学園」は「世田谷区立三宿つくしんぼホーム」に隣接し、道路の向かい側には「三宿の森緑地(公園)」があり、落ち着いた住宅街の中にあります。

園内に入り、靴を脱いでロビーに入ると、驚くほど柔らかい素材の床になっていました。しかも床暖房であるという事です。利用者が心身ともにやすらげる環境を提供しようとしていることがすぐに理解出来ました。

まず、3階の会議室にて、「守る会」の沿革や「あけぼの学園」の概要に関する説明を受け、その後2グループに分かれ、療育の現場を見学しました。2階の「ゆりグループ(18歳以上の生活介護事業)」の部屋に入ると、照明が消えていて、大型スクリーンに花火の映像が流れていました。その時間はリラックスタイムだったようで、6~7名の方がゆったりとした雰囲気で観賞していました。

その後トイレの時間となったようで、利用者一人ひとりの場所にパーティションが立てられ、プライバシーが守られた形で、複数の職員によってオムツ交換等が行われていました。「ゆりグループ」の定員は20名で、登録者は現在19名、見学日は数名の方が園外療育でお出かけをしていたようです。

職員には、保育士、児童指導員、看護師、理学療法士などが在籍していますが、室内に貼ってあった当日の出勤者をみると、看護師の割合が多い印象を持ちました。「ゆりグループ」での説明に、職員不足を補うために看護師の割合を増やして対応している旨の説明があり、ここでも人材不足なのだと痛感しました。

次に、1階の「たんぽぽグループ(就学前の児童発達支援)」の部屋に移動し、4歳児の女の子が数名の職員と音楽に合わせて、自分の音の所に来たときに装置を押して音を奏でるという遊びを行っていました。音楽に自分の音があった時にとても喜ばれていました。

「たんぽぽグループ」は、原則として母(親)子通園が原則ですが、最近は夫婦共働きの方も多くなり、例外も認めているとのことです。また、施設が利用できるのは14時までで、送迎を入れても自宅に15時ぐらいには戻らざるをえず、家族が帰るまでの時間(居場所)が課題になっているケースもあるとのことでした。

「ゆりグループ」「たんぽぽグループ」の見学を通して、職員はもちろん、建物自体も利用者に対して家族のように接して行こうという気持ちが随所に見られると感じました。

 

4,地域との関係

「あけぼの学園」にはこれまで、地域の保育園や小中高校、大学はもとより、行政や企業等の関係団体や芸能関係者等を含めて、多くの見学や支援、交流があったそうです。

なかでも「あけぼの学園」から徒歩5分の場所にある世田谷区立多聞小学校との交流は開設当初から継続されていて、2年生の生徒たちが取り組む「町探検」の探検先となっていたり、4年生の生徒たちが取り組む「福祉を学ぶ」では「あけぼの学園」の存在が重要な位置を占めているようです。

また、地域の方々と協同で防災訓練などを積極的に行っているとのお話しもいただき、地域との結びつきを非常に大事にされていると感じました。

 

5,おわりに

この報告(書)をお読みになった方が、「あけぼの学園」を訪問される機会がありましたら、玄関を入ってすぐ右手にある「旗(はた)」をご覧ください。多聞小学校の生徒さんたちが「自分たちの小学校には旗があるのに、ここにはない」ということで、あけぼの学園」のために、生徒さんたちが自ら作製された立派な「旗(はた)」が掲示されています。歴史と様々なエピソード満載の「あけぼの学園」。地域になくてはならない場所です。



写真上から

1.会議室にて

2.2階プレイルーム前にて

3.1階浴室

4.北浦記念館前にて



 
 
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